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その石、何万年|花崗岩ができるまで

花崗岩ができるまでに、かかる時間をご存知ですか。

石材としては、御影石の名でも知られています。マグマが地下深くでゆっくり冷え、完全に固まるまでに、一般的に数万年から100万年程度かかるとされています。そして、その石が地表に現れ、私たちの手に届くまでには、さらに長い年月がかかっています。

花崗岩は石材として非常によく使われる石です。その石が、どれほどの時間をかけて生まれるのか、その長い長い時の流れを少しずつ追ってゆきましょう。

花崗岩は地下でゆっくり時間をかけて生まれる石である

花崗岩は、地下深くでマグマがゆっくりと冷え固まった石です。人の一生と比べれば、遥かに長い時間がかかります。

花崗岩は、火山岩のように地表で急に冷えてできる石ではありません。地下数キロから十数キロという深い場所で、マグマが少しずつ冷えていくことで生まれます。

この「ゆっくり冷える」という過程が、花崗岩を特別な石にしています。急速に冷えた石にはできない、大きく美しい結晶が育つのは、この長い時間があるからです。

地下深くのマグマがゆっくり冷えて結晶になる

花崗岩の物語は、「マグマだまり」と呼ばれる、地下深くの高温のマグマが溜まった場所から始まります。噴火で地上に出るマグマとは違い、このマグマは地下にとどまり続けます。

地下深くは、地表に比べて熱が逃げにくい環境です。そのため、マグマは急に冷えることなく、数万年、数十万年という単位で、少しずつ温度を下げていきます。冷える速度が遅いほど、マグマに含まれる鉱物は、ゆっくりと結晶へ成長できます。

花崗岩の場合、それが石英、長石、黒雲母といった鉱物の結晶として姿を現します。冷却にかかる時間は、マグマだまりの規模や深さによって異なります。

冷える速さの違いが石英・長石・黒雲母の模様を生む

花崗岩の表面をよく見ると、白っぽい部分や黒っぽい粒が入り混じっています。これは、石英、長石、黒雲母という異なる鉱物が、結晶として育った跡です。

鉱物にはそれぞれ、結晶になりやすい温度帯があり、すべてが同時に結晶化するわけではありません。冷却がゆっくり進むほど、それぞれの鉱物は大きな結晶に育ちます。逆に急に冷えた場合は、結晶が育つ前に固まり、粒の細かい石になります。

同じ花崗岩でも模様が一つひとつ違うのは、マグマだまりごとに、冷える環境や時間が異なるためです。模様そのものが、その石が地下で過ごした時間の記録だといえます。石を扱う職人は、この模様や結晶の並びを見て、どの面を使うかを見極めます。

石は隆起と侵食を経てようやく地表に姿を現す

地下で結晶になった花崗岩は、そのままでは地表に出てきません。地表に現れるには、「隆起」と「侵食」という、もう一つの長い過程が必要です。

隆起とは、地下深くにあった岩盤が、プレートの動きなどによって、少しずつ押し上げられる現象です。同時に地表では、雨や風、川の流れによって、上に積もった土や岩石が少しずつ削られます。これが侵食です。

この二つが同時に進むことで、地下で生まれた花崗岩が、ようやく地表に顔を出します。この過程は、石が固まるまでの時間とは別に、さらに長い年月を必要とします。石が生まれてから、私たち人間が手にできる場所に現れるまでには、それほど長い時間がかかっているのです。

悠久の時が込められた石

花崗岩は、固まるまでに長い時間をかけ、そして地表に現れるまでにも、さらに長い年月をかけた石です。私たちの想像をはるかに超えたスケールです。

石風呂やサウナで手を触れている石は、途方もない時間をかけて自然が作り上げた一点ものです。「天然石です」という説明だけでは伝わらない、悠久の時がその石には込められています。その背景を知ると、目の前の石の見え方が変わってくるでしょう。

地下で過ごした時間、そして地表に現れるまでの時間。気の遠くなるような時の流れに思いを馳せると、いつも目にしている石にも、違った表情が見えてきます。

そして、こうして長い時間を経た石は、いま温泉や浴室でも使われています

花崗岩は浴室の石としても使われている

花崗岩は、硬くて耐久性に優れ、水を吸いにくい石です。そのため、水回りの素材として古くから使われ、温泉施設や旅館の浴室でも多く選ばれています。硬い石ほど、切るにも磨くにも手間がかかりますが、その手間が、長く使える丈夫さにつながっています。

代表的なのが、浴槽のふちに施される「笠石」です。手を置いたり体を支えたりと、肌が直接触れる場所なので、なめらかな質感と高級感が求められます。

切り出されたままの原石は、ざらついた岩の塊です。それを職人が一枚ずつ磨き上げることで、地下で育った結晶が、光を映す面になります。本磨き加工を加えた御影石は、なめらかで艶があり、手触りも見栄えも実によいものです。

時間をかけた石を、大切に製品にする

それだけの時間を掛けてできた素材は、大切に扱って製品にしています。例えば、こちらの記事で紹介していますが、御影石を加工して、曲がったような出来上がりにしました。こうすることで、建物の雰囲気に合い、硬さだけでなく石の優美さがよく活かされています。曲がる黒御影石
こちらの石風呂も花崗岩御影石です。同じような模様が表面にあるのが分かりますか。この石をくりぬいて作った風呂桶は外がごつごつとして自然の風合いをそのままに残し、湯を張る内側には繊細な本磨きを施しています。まるで人の心を映したような姿だと感じられます。石風呂の内と外

株式会社STクラフトは、温泉施設の浴槽まわりに笠石を貼り、スクリーン(仕切り板)を立てる石工事を、20年以上、200件以上手がけてきました。材料の調達と加工から現場の施工まで、一貫して行っています。

浴室に使われた石の仕上がりは、施工事例でご覧いただけます。

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