100万年のマグマの記憶をそのまま風呂に。私たちが「石風呂」の削りすぎを嫌う理由
お風呂づくりを考える際、デザインや機能性にこだわる方は多くいらっしゃいます。
しかし、私たちが扱う「石」が、どのような時間を経て今ここにあるかをご存知でしょうか。
例えば、石風呂によく使われる「花崗岩(かこうがん)」。
この石は、地下深くで煮えたぎるマグマが、10万年~100万年という途方もない時間をかけてゆっくりと冷え固まることで誕生します。
人間の一生が100年だとすれば、気の遠くなるような地球の営みそのものです。
「ただ加工するだけ」なら、誰にでもできる
通常の石材加工や空間づくりでは、扱いやすさや納まりの綺麗さを優先し、石の表面をきれいに削り落としたり、均一な形に整えたりすることが一般的です。
効率を重視すれば、余分な部分を削り取り、ツルツルの直線的な形に仕上げるのが「正解」とされることも少なくありません。
しかし、私たちは問いかけたいのです。
「数百万年かけて作られた自然の彫刻を、人間の都合だけでペラペラの工業製品にしてしまって良いのだろうか?」と。
100万年の素材に、無用な刃物は入れない
私たちが石風呂をつくるとき、最も大切にしているのは「余計な細工をしないこと」です。
素材そのものが持つ表情、重厚感、マグマが固まった時の原石の気配。それらを殺さずに残すことこそが、石という素材に対する私たちの最大の敬意(リスペクト)であり、職人としての意地です。
もちろん、ただ放置するわけではありません。
肌が触れたときの滑らかさや安全性を確保しながらも、「自然が作ったありのままの造形美」をどうやって浴槽として活かすか。
見えない部分に職人の技術を注ぎ込み、不要な加工は削ぎ落とす。
これこそが、私たちが届ける石風呂の真骨頂です。
地球の記憶に包まれる、唯一無二の湯あみ
数百万年もの時間を超えて今、目の前にある石。
そのなかに満たされた温かいお湯に身をゆだねる時間は、他のどんな素材の風呂でも味わえない圧倒的な癒やしと贅沢をもたらしてくれます。
私たちはこれからも、地球が生み出した奇跡を粗末に扱うことなく、素材の命をそのまま活かした仕事をし続けていきます。

