陶器風呂のデメリット・メリットを浴室部材会社が本音で解説
陶器風呂には、価格が高く設置が大変といったデメリットがあります。一方で、保温性が高くメンテナンスが簡単といったメリットもあります。
自宅・旅館・ホテルにお風呂を設置する場合、メリットとデメリットを天秤にかけて、陶器風呂にするか否かを決めることが大切です。
今回は、陶器風呂のメリット・デメリット各3つ、陶器風呂の価格やよくある疑問についてまとめました。
温泉施工実績200件超の石材専門店が、本音で解説します。
記事を最後までチェックすれば、陶器風呂に関することがひと通り分かります。
陶器風呂のデメリット3つ
陶器風呂のデメリットは、以下の3つです。
- ・他のお風呂と比べると価格が高い
- ・他のお風呂と比べて光熱費がかかる
- ・設置が大変
それぞれ詳しく見てみましょう。
他のお風呂と比べると価格が高い
陶器風呂の価格相場は、50〜100万円です。一方、一般家庭でよく用いられるホーロー風呂の価格相場は、8〜50万円です。
上記はそれぞれ浴槽本体の価格なので、実際には設置費用などがプラスされます。詳しくは後述します。
この費用の高さが、陶器風呂の最大のデメリットです。
特に自宅用の場合、余程強い想いがなければ、通常のホーロー風呂から陶器風呂に踏み出せないかもしれません。
旅館・ホテルの場合は話が別です。
陶器風呂に加えて、石風呂や檜風呂といった選択肢もあります。どれも設置まで含めると数百万円はかかります。価格面でそれほど大きな差はありません。
旅館・ホテルの場合は、見栄えやメンテナンス性などを基準に、お風呂を選ぶと良いでしょう。
他のお風呂と比べて光熱費がかかる
お風呂は、最初に費用を支払って終わりではありません。
メンテナンスに費用がかかります。また使用するたびに、光熱費がかかります。
陶器風呂は、他の素材に比べて、光熱費がかかりやすいです。陶器は木材や石と比較して冷えているからです。
快適な温度にするためには、通常よりも熱めのお湯を入れなければなりません。そうなるとガス代が余計にかかります。
浴槽にお湯を貯める際にかかるガス代は、都市ガスの場合が約82.87円、プロパンガスの場合が約219.53円とされています。(出典:エネチェンジ お風呂のガス代っていくら?シャワーのほうがお得なの?)
お風呂の温度を1℃上げると約3.8円、余分にガス代を支払わなければなりません。(出典:ファイナンシャルフィールド 1人暮らしは「シャワーだけ」にすべきですか? 浴槽にお湯をためるといくらかかるのでしょうか?)
わずかな差ですが、他のお風呂と比べて光熱費がかかるのは確かです。
温泉旅館の場合は、反対に水を冷却する必要があったりするので、その限りではありません。また、陶器風呂は水風呂との相性が良いともされています。
設置が大変
陶器風呂は、購入するだけでは成り立ちません。陶器風呂に合った浴室のデザインを、オーダーメイドで作ってもらう必要があります。
一般的な浴室は、陶器風呂の設置を前提としていません。よって陶器風呂に合う浴室を作るには、オーダーメイドが欠かせません。
しかし、元から「デザインにこだわりたい」と考えている方にとっては、デメリットにならないでしょう。
陶器は硬い一方で、割れやすい性質を持ちます。よって搬入や設置時に、慎重な取り扱いが求められます。
施工中にひびが入ると、修復が難しく、場合によっては交換が必要になるでしょう。
陶器風呂のメリット3つ
陶器風呂のメリットは、以下の3つです。
- ・保温性が高い
- ・カビが生えにくい
- ・メンテナンスが簡単
1つずつ詳しく解説します。
保温性が高い
陶器は熱を蓄える性質を持っています。
もとが冷たいので温めるのは大変です。前述のとおり、普段より1〜2℃高いお湯を使わなければなりません。
しかし一度温めると熱が逃げにくいため、快適な温度を長時間維持できます。
追い炊きやお湯の追加を減らすことができ、快適な入浴体験につながります。湯冷めを防ぐこともできるでしょう。
特に冬場など気温が低い季節だと、保温性の高さは大きなメリットです。冬の露天風呂や長湯を楽しみたい方におすすめです。
カビが生えにくい
陶器風呂にも、カビが生える可能性はあります。しかし檜風呂を始めとする木風呂と比較すると、カビは生えにくいです(一番カビが生えづらいのは石風呂)。
よって陶器風呂は、浴槽を常に清潔で衛生的な状態に保ちたい人におすすめです。
カビを放置すると、根を張って除去が難しくなります。陶器風呂は、掃除をしやすく、汚れが付着しても簡単に取り除けます。
万が一、汚れたりカビが発生したりしても、それが悪化する前に除去できるでしょう。
湿気の多い浴室環境においても、カビや雑菌の発生を抑えられる点は、衛生面を重視する方にとって非常に魅力的なポイントです。
檜風呂におけるカビについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:檜風呂にカビ(黒ずみ)が生える原因と除去方法を3つずつ紹介!削る・カビキラーは間違った選択肢
メンテナンスが簡単
陶器風呂は、メンテナンスが簡単です。日常的な手入れに手間がかかりません。
陶器の表面は非常に滑らかです。汚れが付きにくくなっています。よって入浴後に軽く洗い流すだけで、清潔な状態を維持できます。
お風呂は、毎日掃除をしなければなりません。メンテナンスを怠ると、カビが生えたりぬめりがでたりします。
よってメンテナンス性の高さは、浴槽選びにおいて重要な要素です。
加えて陶器風呂は、経年劣化によるひび割れや変色が発生しづらいのも大きなメリットです。
檜風呂を始めとする木風呂の耐用年数が10年前後であるのに対し、陶器風呂や石風呂の耐用年数は数十年となっています。
陶器の耐久性は非常に高く、適切に使用すれば長期間にわたってその機能と見た目を維持できます。
関連記事:檜風呂の耐用年数は7〜10年!短い理由は手入れが大変だから
陶器風呂の価格はいくら?
陶器風呂に限らず、浴槽の価格は、サイズやデザイン、製造方法によって大きく異なります。
一般的な陶器風呂の場合、価格相場は50〜100万円です。
浴槽本体の価格とは別に、設置にかかる工事費用も必要です。好みに合うようにカスタマイズする場合には、オプション費用もかかるでしょう。
結果として陶器風呂の設置には、どんなに低く見積もっても100〜300万円ほどの費用がかかります。
陶器風呂に関するよくある疑問
以下2つの、陶器風呂に関するよくある質問にお答えします。
- ・陶器風呂は割れたりひびが入ったりしやすいのでは?
- ・陶器風呂は滑りやすいのでは?
それぞれ詳しく解説します。
陶器風呂は割れたりひびが入ったりしやすいのでは?
陶器風呂は頑丈な素材で作られています。木材と比べると、割れたりひびが入ったりするリスクは低いと言えるでしょう。
しかしリスクがゼロではありません。
陶器は非常に硬い一方で、衝撃には弱いです。重い物を落としたり強い力が一点に加わったりした場合に、ひび割れや破損が生じるかもしれません。
よって、設置や使用時には注意が必要です。
しかし、一般的な入浴時の使用で問題が起きることは、原則ないと考えて良いでしょう。
一度割れやひびが発生すると修復が難しいので、注意深く取り扱いましょう。
陶器風呂は滑りやすいのでは?
陶器風呂の表面は滑らかで光沢があります。よって一見滑りやすそうに見えます。
確かに湯水が溜まると、陶器の表面が滑りやすく感じることもあるでしょう。特に石鹸や入浴剤が湯水と混ざると、滑りやすくなります。
メンテナンスを怠って、浴槽の底に石鹸や入浴剤の成分が溜まってしまった場合も同様です。また掃除でスリッパを履いた際に滑りやすくなるといった声もあります。
しかし毎日きちんと掃除をしていれば、心配は不要です。
心配な方は、滑りにくいスリッパを使用したり、手すりや滑り止めを設置したりすると良いでしょう。
陶器風呂だけではないお風呂の選択肢
陶器風呂は高いデザイン性と快適さを持つ浴槽として人気があります。しかしお風呂の選択肢は、陶器風呂だけではありません。
例えば石風呂は耐久性に優れ、自然石や人工石を使用した高級感あふれる浴槽です。湿気や温泉成分にも強く、メンテナンスが簡単なのが特徴です。
石風呂は、「ザ・温泉」といった雰囲気を重視したい場合に適しています。
檜風呂などの木製風呂は、自然の香りや温かみのある肌触りが魅力です。しかし湿気や乾燥によるメンテナンスが大変です。
見栄えや価格などから、どのお風呂が良いかを考えてみましょう。
関連記事:檜風呂のデメリット4つ・メリット3つを浴室部材会社が本音で解説
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まとめ
陶器風呂のメリット・デメリットを各3つ、陶器風呂の価格やよくある疑問について解説しました。
メリット | デメリット |
保温性が高い | 他のお風呂と比べると価格が高い |
カビが生えにくい | 他のお風呂と比べて光熱費がかかる |
メンテナンスが簡単 | 設置が大変 |
お風呂には、さまざまな選択肢があります。そしてそれぞれ、メリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを天秤にかけて、どのお風呂が良いかを選びましょう。
旅館やホテルには、雰囲気抜群でメンテナンス性や耐久性も高い石風呂がおすすめです。